「赤ずきんちゃん」と言えば、赤いずきんをかぶった女の子と、凶暴でずる賢いオオカミとの掛け合いが印象的な童話ですね。

おばあさんの家で先回りして待っているオオカミに、「赤ずきんちゃんが食べられちゃう!」と子供の頃にハラハラした、という記憶のある方もおられるのではないでしょうか。

この赤ずきんちゃんの童話の教訓は、諸説ありますが「女の子が一人で寄り道していたら危ない、悪い人に食べられてしまう、言いつけは守ろう」というようなものですが、まずは簡単にあらすじを復習してみましょう。

赤いずきんをかぶった女の子がいました。その女の子は赤ずきんちゃんと呼ばれていました。彼女はお母さんに言われて、病気のおばあさんの家まで、ワインとお菓子を持ってお見舞いに行きます。

寄り道してはいけないと言われた赤ずきんちゃんでしたが、道で出会ったオオカミにおばあさんの話をしたところ「花を摘んで行くと良いよ」と言われ、しばらく花摘みをします。

その間にオオカミはおばあさんの家へ先回りして、おばあさんを丸呑みにしてしまいます。やがて遅れてやってきた赤ずきんちゃんも、オオカミに丸呑みにされてしまいます。

おばあさんの家で、大きなお腹でいびきをかいて眠っていたオオカミに、通りすがりの狩人が気づき、オオカミの腹を裂くと赤ずきんちゃんとおばあさんが元気に出てきます。

3人はオオカミの腹に石をたくさん詰めて、再び縫い合わせます。目覚めたオオカミはお腹が重くて動けず、その場に倒れました。おばあさんは、ワインとお菓子で元気になりました。

以上が現代の大まかな内容ですが、1697年のシャルル•ペローの原作より前から伝わる民話では、おばあさんに化けているオオカミは、訪ねてきた赤ずきんちゃんに対して、戸棚の中の肉とワインを飲むよう勧め、赤ずきんちゃんはそれに従います。

ところがそのワインと肉は、オオカミの食べ残しであるおばあさんの血と肉でした。また、一度食べられたおばあさんと赤ずきんちゃんは復活せず、食べられたまま物語は終わります。

最後に、なぜか赤ずきんちゃんは、オオカミに勧められるままに、衣服を一枚一枚すべて脱いで暖炉にくべ、オオカミのいるベッドに入り、そのまま食べられてしまうという結末になります。裸でベッドに入り「食べられてしまう」という流れは何かを暗示しているかのようですね。

その他、最も新しい現代の赤ずきんちゃんでは、おばあさんがオオカミと赤ずきんちゃんを食べてしまうというパロディ作品(ヨアヒム•リンゲルナッツ『クッテル・ダッデルドゥが子どもたちに赤ずきんのお話を聞かせる』)の他…

「オオカミがおばあさんに化けている」と見抜いた赤ずきんちゃんが、即オオカミを銃で撃ち殺す(ジェームズ•サーバー「少女と狼」)というものもあるようです。

同じものでも、昔の童話と現代の童話、読み比べてみると、赤ずきんちゃんもオオカミも進化しているようでおもしろいかもしれませんね。