三匹の子豚という童話は、誰もが一度は読んでもらったことのある童話の一つではないでしょうか。三匹の子豚の兄弟がそれぞれ、わら、木、レンガなどで家を建てて、家にやってくるオオカミを撃退する物語ですね。

現在の物語では、オオカミは煮えたぎったお湯で火傷を負ったり、または死んだりしないし、子豚も、レンガで家を作った子豚の元へ逃げ込むことで、一匹も食べられない場合が多いようですが、元々の原作ではどうだったのでしょうか。

今回は、三匹の子豚の原作について紹介していきましょう。…この三匹の子豚も古い歴史があり、18世紀の後半には物語の載った本が出版されていたようです。しかし物語自体は民間伝承話とされており、もっと古くから存在していました。

元々の原作では、実は、三匹目の子豚がオオカミとの頭脳戦を繰り広げます。そして、わらで家を作った一匹目の子豚と、木で家を作った二匹目の子豚は、やってきたオオカミに食べられてしまいます。

現代のあらすじとちょっと異なる点は、オオカミが、レンガの家の煙突からお湯の煮え立った鍋に落ちるまでにはちょっと時間があるところと、何と、最後に子豚がオオカミを食べてしまうところです。

三匹目の子豚のレンガの家が吹き飛ばせない、とわかったオオカミは、何とか子豚を外へおびき出そうとします。一度目は、「近所においしいカブがなっているから一緒に言って食事しようよ」と言って誘い出します。

しかし頭の良い子豚は、オオカミと約束した時間の朝6時よりも早く起きてカブを取りに行き、オオカミが迎えに来ると「もう取りに行ったから大丈夫」と言って断ります。

二度目は「おいしいリンゴがなっている木があるから、一緒に取りに行こう」と誘います。これは朝の4時に約束しましたが、これも子豚は早く起きて、オオカミよりも早くリンゴの木にたどり着きリンゴを取ります。

ところがリンゴの木は意外と遠い場所にあり、取っている途中でオオカミに見つかります。子豚は「君にも取ってあげよう」とリンゴの実を遠くに投げ、オオカミがそれを取りに行っている間に木から降りて、無事に家に帰ります。

三度目は、「近所でお祭りがあるから一緒に行こう」と誘い出します。これも子豚は約束の時間より早くに一人で出かけ、大きなバターの缶を買います。オオカミがやって来るのが見えた子豚は、買ったバター缶の中に隠れて、転がって帰りました。

この転がってくる大きなバター缶に驚いたオオカミは、お祭りにも行かずに帰ったのですが「缶が転がって来て驚いた」という話を子豚にすると、「それは僕だよ」と愉快な様子で答えた子豚に、オオカミはついに怒り、レンガの家の煙突から中に入ろうとします。

そこで三匹目の子豚は大きな鍋に湯を沸かし、降りてきたオオカミはそのまま煮えたぎった鍋に落ちます。すると子豚は蓋をギュッとしめて蓋の上に乗り、オオカミをよく煮て汁にして食べてしままった、というのが原作です。

悪いオオカミが最後に退治されて、すっきりしたような気もしますが、子豚がオオカミを食べるという画はなかなか衝撃的ですね。