Month1月 2017

恩返しが原因で焼き鳥になるハメに!ある地域の鶴の恩返し

鶴の恩返し、と言えば、雪の中、おじいさん、もしくは若者が助けた鶴が恩返しに来るという有名な昔話ですね。鶴に限らず「助けた動物が何かしらの恩返しにくる」という流れの昔話は多く存在しているようです。

例えば、相撲で負けてばかりのネズミと、その相手のネズミに餅とふんどしを用意してあげたことで、小判をもらって裕福になったおじいさんとおばあさんの話「ねずみの相撲」。

豆を盗みに来た子持ちの母狐に、豆をやり逃がしてやったことで、翌日やって来た狐が恩返しにと良い太鼓に化け、その太鼓を町で売って大もうけしたおじいさんの話「狐の恩返し」。

浜辺でカメを助け、アブに弁当の残りをやったことで、彼らの手助けがあり広いお屋敷の娘のお婿さんになることができた「カメとアブの援助」。

その他にも、川底に刺さった刀が原因でひとりぼっちになったカッパの話相手をした和尚さんのおかげで、改心したカッパが村人のために命を落とすまで雨乞いをして雨を降らせる「カッパの雨乞い」。

また、「猿の恩返し」や「カエルの恩返し」、「ハチの援助」、「山鳥の恩返し」、「カニの恩返し」、「緋鯉の恩返し」などなど挙げればキリがありません。

その中でも鶴の恩返しは、鶴が娘の姿になってやって来て、その羽を活かしてすばらしい反物を織ってくれる、さらに反物は高値で売れたのでおじいさんたちは裕福になったというお話です。

さらに印象的なのは「のぞいてはいけませんよ」と言って機織りをするシーンではないでしょうか。見られたら正体を明かして、飛び去ってしまう、というエンディングも切なくて印象に残りますね。

そんな鶴の恩返しですが、ある地域に伝わるこの昔話には、この先に続きがあるようです。その続きとは、いったいどんなものだったのでしょうか。今回は、鶴の恩返しについて紹介していきましょう。

結末が一風変わった鶴の恩返しが伝わるのは、大阪のあたりで、最初は一般的な鶴の恩返しとそれほど変わらない始まり方をします。

ある日、雪の中旅をしていたおじいさんが、罠にかかっていた一羽の鶴を助けます。しばらくして自宅に帰ったおじいさんの元に、娘が尋ねて来ます。雪もひどいのでしばらく家においてやることにしました。

やがて娘はおじいさんの身の回りの世話をするようになりますが、ある日部屋に機織り機があるのを見つけ「織物をしても良いか」と織物を始めます。

ところが織物を始めると、娘はだんだんと痩せて、やつれていってしまいました。「どうしたんだろう」と心配したおじいさんは、ある日機織り機のある部屋の戸を開けてしまいます。

すると、羽が抜け落ちてあわれな姿になった鶴がいました。鶴は「見られたらここにはいられません」と飛び去ります。

ところが、大部分の羽を織物に使っていた鶴は、うまく飛ぶことができませんでした。しばらく飛んだ後、道頓堀のあたりに墜ちて死んでしまっているのを、そこに住んでいる人が拾って焼き鳥にしておいしく食べてしまった、ということです。

最近見かけないかちかち山、その原因はアレを食べちゃうせい?

かちかち山、という昔話を覚えているでしょうか。以前は絵本やアニメの昔話などでもよく見かけた気がしますが、最近はあまり見ませんね。

その原因というのも、おじいさんがおばあさんの肉を食べてしまう、という衝撃的なシーンがあるせいかもしれません。

今回は、なぜおじいさんがおばあさんの肉を食べることになったのか、なども含めて「かちかち山」のあらすじを紹介していきましょう。なお、この童話は室町時代末期から江戸時代にはあったと言われている歴史のある昔話です。

あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。二人は毎日畑仕事に精を出していましたが、しょっちゅう悪い狸がやってきては、二人が植えた種や作物を掘り返したり荒らしたりして悪さをしていました。

怒ったおじいさんは罠を作り、この悪い狸を捕まえるとおばあさんに「よしよし、夕飯は狸汁を作ってくれ」と言って畑に出かけました。

おばあさんは早速狸汁を作ろうとしましたが、狸が「もう悪さはしませんから許してください」と言うのでかわいそうになり、狸の縄をほどいてやると、狸は突然おばあさんに飛びかかり、側にあった杵でおばあさんを殴り殺してしまいました。

そしておばあさんの肉で婆汁を作るとおばあさんに化け、おじいさんの帰りを待っていました。帰ってきたおじいさんは、それを嬉しそうに食べました。

おばあさんに「これで平和になるなあ」と話したところおばあさんは狸になり、「それは婆汁だよ!」と言って憎たらしく笑いながら逃げて行きました。おじいさんは途方に暮れました。

狸に仕返しをしたい、けれど良い方法が見つからないおじいさんは、近所に住んでいる頭の良いウサギに頼ることにしました。ウサギはわけを聞くと憤慨し「私に任せて」とおばあさんの敵討ちを引き受けます。

まずウサギは狸のところへ行って「お金になる話があるんだけど、一緒に山へ行かない?」と誘って山へ柴刈りに誘います。

背中が柴でいっぱいになったところで、ウサギが火打石を持ち出し、その柴に火をつけようとします。「かちかち」という音が響くのを不審に思った狸が「ウサギさん何の音?」と聞くとウサギは「ここはかちかち山だから、かちかち鳥が鳴くのよ」と言いました。

やがて狸の背中から大きな炎が上がり始め、狸は背中に大火傷を負いました。そして狸が自宅で休んでいると「具合はどう」と言ってウサギが薬を持ってやってきました。「これは火傷によく効く薬なの。塗ってあげる」と、たっぷり唐辛子が入った味噌を火傷にすりこみました。

それから狸は何日間か激痛に悩まされました。火傷が治ると、ウサギは今度は「この前は悪かったわね。お詫びにたくさん魚が捕れるところに案内するから、一緒に魚を捕って食べましょう」と誘います。

小さい木の船と、大きな泥の船を用意して狸に選ばせました。「大きい方が魚がたくさん乗るわね」と言うと狸は迷わず泥の船を選びました。

沖に出ると案の定、泥の船には穴があき沈み始めました。溺れていく狸を、ウサギはさらにオールで叩いたり押さえつけたりしたので狸は溺れ死んでしまいました。ウサギはおばあさんの敵討ちに成功しました。

以上がかちかち山のあらすじですが、この原作の他に芥川龍之介がかちかち山を書き直しており、そこでは、ウサギは10代後半の美少女に、狸は、そんなウサギに恋いこがれ、ただ従う中年の男性に擬人化されているようです。

こんな猫なら家に一匹ほしい!長靴をはいた猫

最近では犬よりも猫を飼っている方が多いほどの猫ブームで猫の写真集なども売れているようですが長靴をはいた猫という童話をご存知でしょうか。

近頃子供向けの絵本でもあまり見かけない気がするこの童話ですが、猫好きの方も猫嫌いの方も「こんな猫ならほしい」と思わず言ってしまいそうな内容です。

ブログの趣旨からは少しず外れますが、今回はこちらのあらすじについて紹介しましょう。なお作者は「赤ずきんちゃん」「シンデレラ」などのシャルル•ペローです。

ある日、一人の粉挽き職人が亡くなります。彼には三人の息子がいたのでそれぞれに遺産が分けられました。一番上の兄には粉挽き小屋、二番目の兄にはロバ、末っ子には余り物の猫が与えられました。

末っ子は猫一匹じゃ何にもならない、とガッカリです。すると猫は「僕に長靴と大きな袋を用意してください、そうしたらご主人を幸せにしてみせます」と言います。末っ子は、それを当てにはしませんでしたがその通りにしました。

長靴と袋をもらうと、猫は早速それをはいて袋で簡単な罠を作り、ウサギがいる場所へ仕掛けて見事にウサギを捕まえました。

それを王様のところへ献上に行きこのように言いました。「我が主人、カラバ公爵が狩りをしましして。これを王様に献上するよう言いつけられて参りました。どうぞお納めください」

王様は喜んでウサギを受け取りました。そんなことが2、3ヶ月続きました。王様とすっかり親しくなった猫は、ある日、王様が姫様を連れて馬車で散策するという情報を聞きつけます。そこで、飛んで帰って末っ子に言いました。

「そこの泉で溺れるフリをしてください。あとは僕が良いようにします」末っ子は急いでその通りにし、猫は末っ子の脱いだ服を石の下へ隠しました。

やがて王様がその場所を通りかかると、猫は金切り声で叫びました。「大変だ!我が主人カラバ公爵が溺れそうだ!しかも服が盗まれてしまった」これを聞いた王様は、慌てて末っ子を泉から引き上げ上等な着物を着せました。

王様と一緒に馬車に乗った末っ子を前に猫は「お礼に王様を我が城へご案内致します」と言って先を歩き始めます。

そして道の先々にいる農夫に「王様がこの土地は誰のものかと尋ねられたらカラバ公爵のものですと言え。さもなればお前の頭をかじってやるぞ」とおどしました。

そして、本当に王様がそう尋ねられた時、農夫たちは言われた通り答えたので王様は土地の広さに感心しました。

やがて、猫は一足先に大きな城にたどり着きました。その城は、この辺りを本当に所有している魔法使いの城でした。猫はこのことはよく知っていたので、城に入ると魔法使いに丁寧に挨拶をしてこう尋ねました。

「あなたは何にでも化けることができる偉大な魔法使いだとお聞きしましたが本当ですか?例えば大きなライオンにも?」

魔法使いは「そんなことは簡単だ」と言ってたちまち立派なライオンになりました。猫は飛び上がって驚いて見せました。やがて魔法使いが元の姿に戻ると今度はこう尋ねました。

「それでは小さいハツカネズミのような、そんなものにはまさかなれませんよね?」魔法使いはそれを聞いて「それも簡単さ」とすぐに小さなハツカネズミに化けました。

すると猫は、たちまちそのハツカネズミを捕まえて食べてしまいました。やがて王様の乗った馬車が城に到着し、猫は「ようこそ我が城へ!」と王様と姫様を出迎えました。

王様と姫様はカラバ公爵の城と土地の広さに感心し、二人を結婚させることにしました。末っ子と長靴をはいた猫は貴族になり、自由気ままに幸せに暮らしました。

実はあの継母は三人目。二人目はシンデレラが○○してた!

シンデレラと言えば、継母や意地悪な姉たちにいじめられていた女の子が、魔法で美しい女性に変身し、さらには王子様と結婚してしまうという、女の子にとっては夢のような素敵な童話ですね。

その童話のあらすじから、例えば、貧しい方が何かの弾みで突然お金持ちになったり、一般の女性が有名な芸能人と結婚した、といったような人生を送った場合に、そのことを「シンデレラストーリー」と呼ぶこともあります。

そんなシンデレラですが、彼女は幸せになるために、元々の原作ではある罪を犯していました。その罪とはいったい何でしょう。今回はシンデレラについて紹介していきましょう。

シンデレラは、元々は古くから伝わる民間伝承話であり、同じような内容のものは、ドイツやフランス、イタリアなど色々な地域に伝わっています。

その中でも、日本で一般的に知られているのはシャルル•ペローが書いたもので、その他にはグリム兄弟が書いたものや、古くはジャンバッティスタの書いたものが挙げられます。

なお「シンデレラ」は英語ですが、和訳だと「灰かぶり」「灰かぶり姫」、フランス語だと「サンドリヨン」という表記になります。

シンデレラの原作で一番古いものは、ギリシャで紀元前1世紀に記録されたものです。ずいぶん古い歴史がありますね。

このシンデレラでは、エジプトの一人の女奴隷が主人公となっており、ガラスの靴は、代わりにバラ飾りの付いた靴となっており、最後には王様と結婚します。

さて、このように色々なバージョンが存在するシンデレラの中でも、彼女が罪を犯してしまっているのが、ジャンバッティスタの書いた「五日物語(ペンタメローネ)」です。

ペンタメローネは、17世紀の1634年から1636年に発行された、ナポリ方言で記された民話集です。シンデレラの他、「白雪姫」「長靴をはいた猫」などの原型となる民話が収録されており、後にシャルル•ペローやグリム兄弟が、この原型を取りあげて現在の形にしました。

このペンタメローネでのシンデレラの原作によると、現在に伝わる意地悪な姉たちを連れて来た継母は三人目の母親でした。

では本当の母親の次の二人目の母親はどうしたのか?というと、なんとシンデレラが殺してしまったということになっています。

シンデレラは意地悪な二人目の母親について悩んでいました。これを家庭教師の女性に相談したところ、その家庭教師がある提案を持ちかけます。

「母親に衣装箱の中の服を探してほしいと頼んで、探している間に蓋を勢いよく閉めて、首の骨を折れば殺せる」「そして、私を新しい母親にしてほしいと父親に頼みなさい」

そしてシンデレラは、女性家庭教師の言った通りに作戦を決行し、その家庭教師を新しい母親に迎えました。

…でもシンデレラは継母たちのいじめからは結局逃れられなかったわけですが、最終的には王子様と幸せになれて良かったですね。しかし、そんな彼女の過去にこんな恐ろしい歴史があったとは。シンデレラは意外とタフですね。

どんな話だったか誰も覚えていない…キャラだけ有名な金太郎

金太郎は、そのかわいらしくたくましい姿からこどもの日の置物や、イラストなどにもよく起用されており、日本人にたいへんなじみ深いキャラクターかと思います。

しかし、そのあらすじを尋ねると「熊に乗っていることくらいしか知らない」という方がほとんどのようです。私も「金太郎にあらすじがあったのか!」と驚きました。

というのも、金太郎は昔話で有名になったと言うより、童謡で有名になった珍しいタイプのキャラクターだからです。そのため、歌詞にある「熊にまたがり相撲の稽古」という部分しか知らない、という方が多いのです。今回は金太郎のあらすじを紹介しましょう。

昔、足柄山の中に母親とその子供が仲良く暮らしていました。子供の名前は金太郎と言い、毎日森の中を駆け回っては、動物たちと相撲をとって遊んでいました。

ある時、偉いお侍さんの家来が森を通りがかった際に金太郎を見かけ、その力の強さを見込んで、一緒に京都に来て家来の一人になってほしいと、母親に御願いに来ます。

金太郎は母親が京都に勤めに行った際に身ごもった子であり、父親は京都で亡くなっていましたが
、元々は坂田という名字もあったことから、金太郎は坂田金時(さかたのきんとき)と名乗ることにして、京都で偉いお侍さんの家来になります。

その後、坂田金時はグングン力を発揮し「頼光四天王」と呼ばれるまでに成長します。それから36年後、福岡へ九州の賊を征伐に行く途中、重い熱病をわずらい、55歳でその生涯を閉じました。

その地域の人々は坂田金時を慕い、その遺体を栗柄神社という神社を建てて、祀ったということです。…以上が金太郎のあらすじです。童話にしては山場などがあまり無く、確かに覚えにくいストーリーですね。

坂田金時という人物が実際にいたかどうかはハッキリしていませんが、金時を祀ったとされる栗柄神社は、岡山県勝央町に実際に存在します。ということで、岡山県は桃太郎にも金太郎にも縁の地ということになります。

それから、金太郎は浮世絵の題材になったり、歌舞伎の題材、また童謡になったりしたことで広く日本中に知れ渡ることになります。

ちなみに、赤くて甘い煮豆の「金時豆」は坂田金時の名前が由来となっています。これは、金太郎が赤い頬をしていたからだとか、踏ん張って力を出す時に顔が真っ赤になったからだとかいう説があります。

さらに、「キンピラゴボウ」の金平の金太郎と関係の深い名前です。坂田金時には実際には子供はいませんでしたが、歌舞伎では金太郎の子供がいたら…という設定で物語が作られ、その金太郎の子供の名前を「坂田金平」としました。

キンピラゴボウはごぼうの歯ごたえが強く、トウガラシが辛いことから、強くたくましいイメージが付き「坂田金平のような料理」ということで、キンピラゴボウとなりました。

実在、架空の人物に関わらず、昔話の登場人物から今に伝わる料理の名前が決まるということは、たいへんおもしろいことですね。

豚は雑食と言うけれど…オオカミも煮て食べちゃった!三匹の子豚

三匹の子豚という童話は、誰もが一度は読んでもらったことのある童話の一つではないでしょうか。三匹の子豚の兄弟がそれぞれ、わら、木、レンガなどで家を建てて、家にやってくるオオカミを撃退する物語ですね。

現在の物語では、オオカミは煮えたぎったお湯で火傷を負ったり、または死んだりしないし、子豚も、レンガで家を作った子豚の元へ逃げ込むことで、一匹も食べられない場合が多いようですが、元々の原作ではどうだったのでしょうか。

今回は、三匹の子豚の原作について紹介していきましょう。…この三匹の子豚も古い歴史があり、18世紀の後半には物語の載った本が出版されていたようです。しかし物語自体は民間伝承話とされており、もっと古くから存在していました。

元々の原作では、実は、三匹目の子豚がオオカミとの頭脳戦を繰り広げます。そして、わらで家を作った一匹目の子豚と、木で家を作った二匹目の子豚は、やってきたオオカミに食べられてしまいます。

現代のあらすじとちょっと異なる点は、オオカミが、レンガの家の煙突からお湯の煮え立った鍋に落ちるまでにはちょっと時間があるところと、何と、最後に子豚がオオカミを食べてしまうところです。

三匹目の子豚のレンガの家が吹き飛ばせない、とわかったオオカミは、何とか子豚を外へおびき出そうとします。一度目は、「近所においしいカブがなっているから一緒に言って食事しようよ」と言って誘い出します。

しかし頭の良い子豚は、オオカミと約束した時間の朝6時よりも早く起きてカブを取りに行き、オオカミが迎えに来ると「もう取りに行ったから大丈夫」と言って断ります。

二度目は「おいしいリンゴがなっている木があるから、一緒に取りに行こう」と誘います。これは朝の4時に約束しましたが、これも子豚は早く起きて、オオカミよりも早くリンゴの木にたどり着きリンゴを取ります。

ところがリンゴの木は意外と遠い場所にあり、取っている途中でオオカミに見つかります。子豚は「君にも取ってあげよう」とリンゴの実を遠くに投げ、オオカミがそれを取りに行っている間に木から降りて、無事に家に帰ります。

三度目は、「近所でお祭りがあるから一緒に行こう」と誘い出します。これも子豚は約束の時間より早くに一人で出かけ、大きなバターの缶を買います。オオカミがやって来るのが見えた子豚は、買ったバター缶の中に隠れて、転がって帰りました。

この転がってくる大きなバター缶に驚いたオオカミは、お祭りにも行かずに帰ったのですが「缶が転がって来て驚いた」という話を子豚にすると、「それは僕だよ」と愉快な様子で答えた子豚に、オオカミはついに怒り、レンガの家の煙突から中に入ろうとします。

そこで三匹目の子豚は大きな鍋に湯を沸かし、降りてきたオオカミはそのまま煮えたぎった鍋に落ちます。すると子豚は蓋をギュッとしめて蓋の上に乗り、オオカミをよく煮て汁にして食べてしままった、というのが原作です。

悪いオオカミが最後に退治されて、すっきりしたような気もしますが、子豚がオオカミを食べるという画はなかなか衝撃的ですね。

浦島太郎がおじいさんになった後さらに何かに変身!その正体は

浦島太郎と言えば、浜辺でいじめられているカメを助けたら、海の中の竜宮城に案内され、しばらくその場でくつろいで帰ったら何百年も経過していた上に、お土産の玉手箱を開けたらおじいさんになってしまった…

という、良いことをしたのに最後はなぜかバッドエンド、という内容の昔話ですね。今回はこの浦島太郎について紹介していきましょう。

浦島太郎の歴史は古く、一番最初の原作は8世紀の初め頃に成立した「日本書紀」に登場します。その日本書紀では、浦島太郎とカメの出会いは現在とは異なっており、いじめられていたカメを「助けた」のではなく自分で「釣り上げた」となっています。

釣り上げたカメはなぜかその場で女に化け、浦島太郎はこのカメだった女を気に入って結婚します。そして二人で色々な場所の仙人に会ってまわった、というあらすじになっています。

その後、室町時代に入り、浦島太郎の物語はその頃に成立した「御伽草紙」に再登場します。御伽草紙になると、やっと現代に通じる「乙姫様」や「竜宮城」「玉手箱」などが登場します。

この御伽草紙の浦島太郎は、現代のものにかなり近づいていますが、異なる点がいくつかあります。まず、竜宮城で過ごした時間と、実際に過ぎていた時間が正確に記載されていることです。

御伽草紙によると、竜宮城で過ごした時間は3年間で、浦島太郎が「そろそろ帰ります」と自分の村に帰ると700年が経過していたというのです。700年も経ってしまうと、言語さえも変化していそうですよね。

次に、「決して開けてはいけない」と言われた玉手箱を開けておじいさんになった浦島太郎ですが、さらにその後、鶴に変身してしまいます。もちろん、この状態にビックリした浦島太郎は、竜宮城へ引き返し、乙姫様にその理由を尋ねます。

すると、正体がカメである乙姫様は、このように答えます。「鶴は千年、カメは万年生きられます。あなたはここにいる間に700年も経ってしまいました。鶴にでも変身しなければ死んでしまいます」

その答えに納得した浦島太郎は、残りの人生を、乙姫様と一緒に仲良く過ごしました、というハッピーエンドを迎えます。

その他、御伽草紙では浦島太郎が存在していた場所を「丹後の国…」と記しています。丹後の国とは現在の京都府の舞鶴のあたりとされており、京都府与謝郡には浦嶋神社という浦島太郎に縁のある神社があります。

この神社では、室町時代から伝わる玉手箱や、巻物などがある宝物資料館があり、予約制で見物できるようです。

また、縁のある地という点では、神奈川県横浜市も挙げられます。ここに伝わる話では、相模国三浦が出身の浦島太郎は、仕事で丹後の国に行っていた、となっており、玉手箱を開けておじいさんになった浦島太郎は、近所の人に聞いて大昔に亡くなってしまった両親の墓を探したとあります。

やっとのことで見つけた両親の墓の側に家を建てて住み、後々そこは観福寿寺というお寺になったということです。明治になって廃寺になってしまった観福寿寺ですが、そこにあった聖観世音菩薩像は神奈川県の運慶寺に安置されています。

昔話に縁のある地や、ものを見て回ると、物語と現実がつながるようでおもしろいですね。自分の好きな昔話の縁のある地を調べてみるのも良いでしょう。

白雪姫の棺を譲り受けた王子様の異常だったかもしれない性癖とは

白雪姫は、ディズニーなどでアニメ化されていることもあり、あらすじを知っている方が多い童話の一つではないでしょうか。

魔法の鏡を持った悪い継母と、真っ赤な毒リンゴ、七人の小人と、ディズニーでは王子様の口づけで毒リンゴの魔法が解けて生き返る、などのエピソードが印象的ですね。それでは最初に、大まかなあらすじについて振り返ってみましょう。

あるところに美しいお妃様がいました。雪の日に裁縫をしていたお妃様は、針で指を刺してしまったのですが、雪の上に落ちた自分の血を見て「この雪のように白く、赤い唇と頬を持ち、黒檀のように黒い髪の女の子が欲しい」と言いました。

間もなくその通りの王女を産んだお妃様でしたが亡くなってしまいます。すぐに大変美しい新しいお妃様が迎えられましたが、そのお妃様は魔法の鏡を持っている魔女で、自分が一番美しくないと我慢できない性格でした。

お妃様は毎日魔法の鏡に「この世で一番美しいのは誰?」と尋ねます。嘘をつかない鏡は「もちろんお妃様です」と答えていましたが、ある日から「それは白雪姫です」と言うようになりました。白雪姫は七歳になっていました。

自分が一番でないと気が済まないお妃様は、白雪姫を殺そうとします。まずは猟師に「森の奥で撃ち殺してきて」と依頼しますが、猟師はいざとなるとかわいそうになり、白雪姫も、城には戻らないことを約束し森へ置き去りにされます。

その後白雪姫は、七人の小人が住む家を見つけ、家事などをする代わりに家においてもらうことになります。一方、魔法の鏡で白雪姫が生きていることを知ったお妃様は、自ら物売りに変装して白雪姫の元へ出向きます。

毒の着いた櫛や、腰紐などで白雪姫を殺そうとしますが、いずれも小人たちによって助けられます。最後に毒リンゴでついに白雪姫は亡くなってしまいます。小人たちは大変悲しみ、亡くなってもなお美しいままの白雪姫をガラスの棺に入れて、交代で番をしました。

やがてその棺の前を王子様が通りかかります。王子様は白雪姫の美しさに一目惚れし、ぜひ棺を譲ってほしいと願い出ます。最初は首を縦に振らなかった小人たちでしたが、王子様があんまり必死なので棺を譲ることにしました。

棺を動かすとその弾みで、喉に引っかかっていた毒リンゴの欠片が取れ、白雪姫は生き返ります。王子様は喜んで、その場で結婚を申し込みました。白雪姫は、王子様と幸せに暮らしました。

以上が白雪姫の大まかなあらすじです。自然に最後まであらすじを振り返ってきましたが、よく考えると王子様の行動にはおかしい点があります。

それは、棺に入った白雪姫は遺体だったにも関わらず、どうしても譲ってほしいと言ってきかなかった点です。このことから、王子様は死体に愛着を持つ、いわゆる「死体愛好家」だったのではないか、という見方をされることがあります。

その他、元々の原作では白雪姫の特徴である「黒い髪」は黒ではなく、ブロンドであり黒かったのは瞳であるとも言われています。

子供には内緒。桃太郎は○○ったおじいとおばあから生まれた!

桃太郎といえば、「桃から生まれた」というエピソードが印象的な童話ですね。小さい頃にお遊戯会などで演じた、という経験がある方もおられるのではないでしょうか。

ですが、実はこの印象的なエピソード、元々の原作とは違うって知ってますか?とりあえず、現在の桃太郎のお話を振り返ってみましょう。

あるところにおじいさんとおばあさんがいました。ある日おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃が流れてきます。

おばあさんはその桃を拾って帰り、おじいさんと一緒に食べるために割ろうとした瞬間、桃は勝手に割れて、中から元気な男の子が出てきます。おじいさんとおばあさんは、その子に桃太郎と名付けて大事に育てます。

やがて、大きく強く成長した桃太郎は、近所に悪い鬼が出て悪さをしているという情報を聞いて、鬼を退治に行きます。おじいさんとおばあさんは、桃太郎にきびだんごを作って持たせてやりました。

道中で、犬と猿とキジに出会います。彼らはきびだんごをもらう代わりに、桃太郎の鬼退治に同行しました。間もなく鬼のいる鬼が島に着いた桃太郎たちは、鬼を一気に倒して、鬼の持っていた財宝を抱えておじいさんおばあさんの元へ帰り、幸せに暮らしました。

以上が現代の大まかなあらすじです。桃太郎は、さかのぼれば室町時代に作られた童話であると言われており、世の中に広まったのは江戸時代のことです。

その後、明治時代に確立したエピソードでは、桃太郎は桃から産まれたのではなく、流れてきた桃を食べて若返ったおじいさんとおばあさんが子づくりをして、その結果産まれたのが桃太郎である、というあらすじが主流になっていました。

その他、桃太郎のゆかりの地と言えば、岡山駅前に桃太郎と犬、猿、キジの像なども建っていることもあり、「岡山県」を思い浮かべる方が多いかと思います。

桃太郎と岡山県が結びつけられているのは、桃太郎がおじいさんおばあさんに持たせてもらったきびだんごに深い関係があります。

というのも、きびだんごの「黍(きび)」と、岡山の江戸時代の名産品が「吉備(きび)だんご」であったことに関係があると考えられているからです。

しかし実際のところ、桃太郎と縁のあるきびだんごと、岡山県の名産の吉備団子が同一であるかどうかは、はっきりしたことはわかっていません。

また、桃太郎のゆかりの地とされる地域も、岡山県以外に、愛知県の犬山市(桃太郎神社)や奈良県の磯城郡など、いくつかの地域が挙げられます。

その他、地域によっては桃太郎が正義感あふれる性格ではなくて、何にしてもものぐさな性格で、周りに「やれ」と言われて受動的に仕方なく鬼退治に行くバージョンもあるようです。

同じ物語でも、その昔、伝えた人次第で伝言ゲームのように、あらすじや主人公の性格も変化してしまったのでしょう。

あなたの住んでいる地域とは、離れた場所に故郷を持っている友人に、桃太郎含め別の昔話についても聞いてみれば、もしかしたら知っている話とはひと味違った昔話が聞けるかも知れませんね。

グロ…オオカミにおばあさんの肉を食べさせられた赤ずきんちゃん

「赤ずきんちゃん」と言えば、赤いずきんをかぶった女の子と、凶暴でずる賢いオオカミとの掛け合いが印象的な童話ですね。

おばあさんの家で先回りして待っているオオカミに、「赤ずきんちゃんが食べられちゃう!」と子供の頃にハラハラした、という記憶のある方もおられるのではないでしょうか。

この赤ずきんちゃんの童話の教訓は、諸説ありますが「女の子が一人で寄り道していたら危ない、悪い人に食べられてしまう、言いつけは守ろう」というようなものですが、まずは簡単にあらすじを復習してみましょう。

赤いずきんをかぶった女の子がいました。その女の子は赤ずきんちゃんと呼ばれていました。彼女はお母さんに言われて、病気のおばあさんの家まで、ワインとお菓子を持ってお見舞いに行きます。

寄り道してはいけないと言われた赤ずきんちゃんでしたが、道で出会ったオオカミにおばあさんの話をしたところ「花を摘んで行くと良いよ」と言われ、しばらく花摘みをします。

その間にオオカミはおばあさんの家へ先回りして、おばあさんを丸呑みにしてしまいます。やがて遅れてやってきた赤ずきんちゃんも、オオカミに丸呑みにされてしまいます。

おばあさんの家で、大きなお腹でいびきをかいて眠っていたオオカミに、通りすがりの狩人が気づき、オオカミの腹を裂くと赤ずきんちゃんとおばあさんが元気に出てきます。

3人はオオカミの腹に石をたくさん詰めて、再び縫い合わせます。目覚めたオオカミはお腹が重くて動けず、その場に倒れました。おばあさんは、ワインとお菓子で元気になりました。

以上が現代の大まかな内容ですが、1697年のシャルル•ペローの原作より前から伝わる民話では、おばあさんに化けているオオカミは、訪ねてきた赤ずきんちゃんに対して、戸棚の中の肉とワインを飲むよう勧め、赤ずきんちゃんはそれに従います。

ところがそのワインと肉は、オオカミの食べ残しであるおばあさんの血と肉でした。また、一度食べられたおばあさんと赤ずきんちゃんは復活せず、食べられたまま物語は終わります。

最後に、なぜか赤ずきんちゃんは、オオカミに勧められるままに、衣服を一枚一枚すべて脱いで暖炉にくべ、オオカミのいるベッドに入り、そのまま食べられてしまうという結末になります。裸でベッドに入り「食べられてしまう」という流れは何かを暗示しているかのようですね。

その他、最も新しい現代の赤ずきんちゃんでは、おばあさんがオオカミと赤ずきんちゃんを食べてしまうというパロディ作品(ヨアヒム•リンゲルナッツ『クッテル・ダッデルドゥが子どもたちに赤ずきんのお話を聞かせる』)の他…

「オオカミがおばあさんに化けている」と見抜いた赤ずきんちゃんが、即オオカミを銃で撃ち殺す(ジェームズ•サーバー「少女と狼」)というものもあるようです。

同じものでも、昔の童話と現代の童話、読み比べてみると、赤ずきんちゃんもオオカミも進化しているようでおもしろいかもしれませんね。

**************************
カードローンも一昔前と比べると、かなり使いやすくなってるって知ってました?
顧客満足度第1位の消費者金融はSMBCモビット!→http://sarakinkakumei.com/mobits/

copyright © douwanomametishisiki.com