最近では犬よりも猫を飼っている方が多いほどの猫ブームで猫の写真集なども売れているようですが長靴をはいた猫という童話をご存知でしょうか。

近頃子供向けの絵本でもあまり見かけない気がするこの童話ですが、猫好きの方も猫嫌いの方も「こんな猫ならほしい」と思わず言ってしまいそうな内容です。

ブログの趣旨からは少しず外れますが、今回はこちらのあらすじについて紹介しましょう。なお作者は「赤ずきんちゃん」「シンデレラ」などのシャルル•ペローです。

ある日、一人の粉挽き職人が亡くなります。彼には三人の息子がいたのでそれぞれに遺産が分けられました。一番上の兄には粉挽き小屋、二番目の兄にはロバ、末っ子には余り物の猫が与えられました。

末っ子は猫一匹じゃ何にもならない、とガッカリです。すると猫は「僕に長靴と大きな袋を用意してください、そうしたらご主人を幸せにしてみせます」と言います。末っ子は、それを当てにはしませんでしたがその通りにしました。

長靴と袋をもらうと、猫は早速それをはいて袋で簡単な罠を作り、ウサギがいる場所へ仕掛けて見事にウサギを捕まえました。

それを王様のところへ献上に行きこのように言いました。「我が主人、カラバ公爵が狩りをしましして。これを王様に献上するよう言いつけられて参りました。どうぞお納めください」

王様は喜んでウサギを受け取りました。そんなことが2、3ヶ月続きました。王様とすっかり親しくなった猫は、ある日、王様が姫様を連れて馬車で散策するという情報を聞きつけます。そこで、飛んで帰って末っ子に言いました。

「そこの泉で溺れるフリをしてください。あとは僕が良いようにします」末っ子は急いでその通りにし、猫は末っ子の脱いだ服を石の下へ隠しました。

やがて王様がその場所を通りかかると、猫は金切り声で叫びました。「大変だ!我が主人カラバ公爵が溺れそうだ!しかも服が盗まれてしまった」これを聞いた王様は、慌てて末っ子を泉から引き上げ上等な着物を着せました。

王様と一緒に馬車に乗った末っ子を前に猫は「お礼に王様を我が城へご案内致します」と言って先を歩き始めます。

そして道の先々にいる農夫に「王様がこの土地は誰のものかと尋ねられたらカラバ公爵のものですと言え。さもなればお前の頭をかじってやるぞ」とおどしました。

そして、本当に王様がそう尋ねられた時、農夫たちは言われた通り答えたので王様は土地の広さに感心しました。

やがて、猫は一足先に大きな城にたどり着きました。その城は、この辺りを本当に所有している魔法使いの城でした。猫はこのことはよく知っていたので、城に入ると魔法使いに丁寧に挨拶をしてこう尋ねました。

「あなたは何にでも化けることができる偉大な魔法使いだとお聞きしましたが本当ですか?例えば大きなライオンにも?」

魔法使いは「そんなことは簡単だ」と言ってたちまち立派なライオンになりました。猫は飛び上がって驚いて見せました。やがて魔法使いが元の姿に戻ると今度はこう尋ねました。

「それでは小さいハツカネズミのような、そんなものにはまさかなれませんよね?」魔法使いはそれを聞いて「それも簡単さ」とすぐに小さなハツカネズミに化けました。

すると猫は、たちまちそのハツカネズミを捕まえて食べてしまいました。やがて王様の乗った馬車が城に到着し、猫は「ようこそ我が城へ!」と王様と姫様を出迎えました。

王様と姫様はカラバ公爵の城と土地の広さに感心し、二人を結婚させることにしました。末っ子と長靴をはいた猫は貴族になり、自由気ままに幸せに暮らしました。