シンデレラと言えば、継母や意地悪な姉たちにいじめられていた女の子が、魔法で美しい女性に変身し、さらには王子様と結婚してしまうという、女の子にとっては夢のような素敵な童話ですね。

その童話のあらすじから、例えば、貧しい方が何かの弾みで突然お金持ちになったり、一般の女性が有名な芸能人と結婚した、といったような人生を送った場合に、そのことを「シンデレラストーリー」と呼ぶこともあります。

そんなシンデレラですが、彼女は幸せになるために、元々の原作ではある罪を犯していました。その罪とはいったい何でしょう。今回はシンデレラについて紹介していきましょう。

シンデレラは、元々は古くから伝わる民間伝承話であり、同じような内容のものは、ドイツやフランス、イタリアなど色々な地域に伝わっています。

その中でも、日本で一般的に知られているのはシャルル•ペローが書いたもので、その他にはグリム兄弟が書いたものや、古くはジャンバッティスタの書いたものが挙げられます。

なお「シンデレラ」は英語ですが、和訳だと「灰かぶり」「灰かぶり姫」、フランス語だと「サンドリヨン」という表記になります。

シンデレラの原作で一番古いものは、ギリシャで紀元前1世紀に記録されたものです。ずいぶん古い歴史がありますね。

このシンデレラでは、エジプトの一人の女奴隷が主人公となっており、ガラスの靴は、代わりにバラ飾りの付いた靴となっており、最後には王様と結婚します。

さて、このように色々なバージョンが存在するシンデレラの中でも、彼女が罪を犯してしまっているのが、ジャンバッティスタの書いた「五日物語(ペンタメローネ)」です。

ペンタメローネは、17世紀の1634年から1636年に発行された、ナポリ方言で記された民話集です。シンデレラの他、「白雪姫」「長靴をはいた猫」などの原型となる民話が収録されており、後にシャルル•ペローやグリム兄弟が、この原型を取りあげて現在の形にしました。

このペンタメローネでのシンデレラの原作によると、現在に伝わる意地悪な姉たちを連れて来た継母は三人目の母親でした。

では本当の母親の次の二人目の母親はどうしたのか?というと、なんとシンデレラが殺してしまったということになっています。

シンデレラは意地悪な二人目の母親について悩んでいました。これを家庭教師の女性に相談したところ、その家庭教師がある提案を持ちかけます。

「母親に衣装箱の中の服を探してほしいと頼んで、探している間に蓋を勢いよく閉めて、首の骨を折れば殺せる」「そして、私を新しい母親にしてほしいと父親に頼みなさい」

そしてシンデレラは、女性家庭教師の言った通りに作戦を決行し、その家庭教師を新しい母親に迎えました。

…でもシンデレラは継母たちのいじめからは結局逃れられなかったわけですが、最終的には王子様と幸せになれて良かったですね。しかし、そんな彼女の過去にこんな恐ろしい歴史があったとは。シンデレラは意外とタフですね。